厚生労働省が国民生活基礎調査(2015)で日本の貧困率は15.6%と発表しています。およそ、日本国民の約6人に1人が貧困となります。人口にすると約2,000万人にのぼります。
世界から見ると日本は豊かな国だと言われており、貧困は存在しないと考える人もいると思います。貧困と言っても、絶対的貧困と相対的貧困に分かれますが、先進国である日本は後者の相対的貧困が圧倒的に多いです。
等価可処分所得が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。
今回は、日本における貧困について考えていきましょう。
相対的貧困が多くなる要因
世界のほとんどの国は自由市場という仕組みで動いています。個人や企業は儲けを追求し、自由に競争し合うことです。
本来であれば、儲けが増えることで全体にお金が行き渡るべきなのだが、一部の個人や企業が独占してしまっています。いわゆる格差が生まれてしまっており、どんどん格差は広がるばかりなのです。
そのため、相対的貧困層が多くなってしまいます。これを裏付けるデータとして、生活保護制度の捕捉率は約3割程度です。残りの7割は生活保護を受ける資格があるにもかかわらず、生活保護を受けることなく、生活保護水準の以下の生活しているのです。
貧困は社会全体の損失につながる
他人の貧困は自分には関係がないと思う人もいますが、実はそうでもないです。
貧困層が増えてくると、「犯罪や自殺の増加」「治安の悪化」「衛生環境の悪化」などが考えられます。社会が不安定になることで、経済の生産性が低下してしまいます。
これを補うのは、公的負担です。公的負担が増加すれば、個人への税金が上がる可能性があるでしょう。負の連鎖となり、社会全体の損失となってしまいます。
生活保護費は年々膨らみつつありますが、生活保護費は引き下げ傾向です。同様に年金についても似たような状況になりつつあります。
このように考えると、貧困率の改善は大きなテーマだと思います。よりよい社会をつくるためにも、社会全体で貧困について考えていきたいですね。