相続した不動産の売却時における課税の特例措置

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親が亡くなるとその時点で遺産相続が始まりますが、主な相続財産が「不動産」というケースが少なくありません。ただ、不動産を相続しても、そこに居住する人がいない場合や、相続税の納付などのために売却せざるを得ないことがあります。

譲渡所得税における長期保有不動産に対する特例措置

土地や建物などの不動産を売却して得る所得を譲渡所得と言いますが、その利益(売却金額-取得費用)に対し所得税が課されます。ただし、譲渡所得税は一律になっているわけではなく、不動産の所有期間によって以下の2つに分けられています。

  • 所有期間5年以下:39.63%
  • 所有期間5年超:20.315%
居住用の不動産(非居住用の不動産は不可)の所有期間が10年を超えていた場合は特例により、課税譲渡所得が6,000万円以下の部分に対する税率が14.21%に軽減されます。

相続税における取得費加算の特例

相続税には「取得費加算の特例」という制度があり、相続した不動産を定められた期間内に売却して利益が出た場合、相続税の一定金額を取得費として経費に加算できます。従って、特例の金額分が譲渡所得から減るため、当然ながら税額も減少します。

なお、特例を受けるためには以下の2つの条件を満たさなくてはなりません。

  • 相続や遺贈によって取得した不動産である。
  • 相続税の申告期限以降3年以内に売却している。
売却先が親族であっても特例が適用されます。

特例として取得費に加算できる相続税額

取得費に加算できる相続税額は以下の計算式で表されます。

特例額=相続税額×不動産評価額÷(相続税の課税評価額+債務控除額)

特例額の具体的な例を挙げると、Aさんが相続した不動産を売却した際の相続税などが以下だったとします。※債務控除額無

  • ・相続税額:5,000万円
  • ・相続税の全課税評価額:1億5,000万円
  • ・その内、不動産の課税評価額:1億2,000万円

上記の場合、特例額は5,000万円×1億2,000万円÷1億5,000万円=4,000万円となり、相続税の課税評価額は1億5,000万円-4,000万円で1億1,000万円に減ります。

補足

不動産に対する相続税の課税が無かった場合は、特例の適用はありません。また、特例は譲渡所得に対するものであり、事業所得や雑所得には適用されません。